米国ダーハム - Media OutReach - 2021年1月14日 -  シリコンカーバイド (SiC) 技術は、電気バス市場に浸透してきています。『リサーチとマーケット』(Research and Markets)が発表したレポートによると、2019年の世界の電動バス市場規模は約 13 万6000台となり、このうちの 99％が中国で販売されていることを示しています。将来を展望すると、SiC電気バス市場は今後6年間で27.2％の複合年平均成長率 (CAGR)で成長する、とあります。

シリコン (Si) ベース半導体と比較すると、SiC半導体の単位面積当たりの電力が高いため、スイッチング損失を大幅に削減し、スイッチング周波数を上げることができます。これは、エネルギー変換効率が99％以上に達し、エネルギー損失を大幅に削減することができ、二酸化炭素排出量の削減に重要な役割を果たすことができることを意味しています。電気バスなどの電気自動車にとり、これは航続距離が5％～10％増加することを意味し、同じ耐久性で、高価なバッテリーに対する需要が減少するとも言えることになります。車載用および非車載用の急速充電の応用にとって、SiCの効率と熱性能も、シリコンより魅力的な選択肢になります。

SiC技術をリードする企業であるCree /Wolfspeedのパワー製品市場および応用事業のシニアディレクターであるGuy Moxey氏は、「グローバルな観点から純粋な電気自動車（BEV）は、2025年には自動車生産量の7％を占めると予想しています。実際、ゴールドマンサックス(Goldman Sachs)社の予想によると、純粋な電気自動車（BEV）の70％がSiCベースのインバーターを使用するとあり、この予測は、非常に有望なものになっています。SiC技術に対する需要の高まりを考慮すると、Cree/Wolfspeedの90億米ドルのpipelineの45％は、自動車分野のチャンスから生み出されることになります。」と述べています。

自動車産業との積極的な提携

Cree /Wolfspeedは、高速列車を含む新しい市場へのSiCの導入を目的として、自動車および工業分野におけるエネルギー効率の高いSiC半導体の開発を支援するため2019年末にABBとの提携に合意しました。会社は、今年宇通グループ(Yutong Group)との提携を発表しました。宇通グループ(Yutong Group )は、高効率の新型電気バスパワートレインシステム(powertrain system)でCree/Wolfspeed 1200 VSiCデバイスをベースにしたStarpowerパワーモジュールを使用します。宇通グループ(Yutong Group )は、SiC技術を統合した初の電気バスメーカーとなり、このタイプのバスは2021年に世に出される予定となっています。

会社は、またデルファイテクノロジーズ(Delphi)、ゼット・エフ(ZF)、ABB およびフォルクスワーゲン(Volkswagen)を含む電気自動車分野の他の多くの企業と長期的な提携関係を確立しています。自動車産業全体としては、シリコン（Si）からシリコンカーバイド（SiC）への世界的なトランスフォーメーションを遂げています。我々が連絡を取り合った自動車メーカーの約90％は、SiCベースのインバーターを自社の車両に応用できるよう取り組んでいます。今後数年間において、市場では、SiC技術が採用された車がますます増えることになります。

SiC技術が、バスをグリッドに接続する技術の実現を支援

世界中の電気自動車の台数が増えるにつれて、グリッド容量と柔軟性に対する需要も高まります。多くの新しいオンボードチャージャー（OBC）の設計には、双方向電力潮流が含まれているため、車両をグリッド上の負荷バランスをとれるようにし、大手フリートオペレーター（電気バスフリートなど）に重要な経済的機会を提供できるようになります。SiCは、より高い電力密度でより効率的な方法で双方向電力潮流を管理できるため、バスをグリッドに接続（Bus to Grid、B2G）するソリューションをさらに促進させるのに非常に適しています。Cree /Wolfspeedは、この分野が今後数年間注目され続けると予想しています。

Cree/Wolfspeedシリコンカーバイド（SiC）パワー製品の詳細については、次のWebサイトをご覧ください。

www.wolfspeed.com/power/products